コシ

讃岐うどんは日本全国すべてのうどんの中で特別にコシが強いわけではない。 コシという言葉はそれを使う人によって、硬さや弾力、または粘度であったりと、 言葉の定義が必ずしも共有されていないが、讃岐うどんの味の評価は、 この麺のコシの強さによってなされる部分が大きい。 讃岐うどんにおいては、店やメニューの紹介ではだしや具の味、佇まいなどが取り上げられても、 麺の評価がそれ以外の要素の評価よりも上位に位置する場合もある。 一方、かつては製麺所から麺を仕入れる店が多かったため、むしろだしが店ごとの個性として重視されていた。 うどんのコシについての学術的研究では、コシは「咀嚼中の総合的な食感」というテクスチャーをもって表現されている。 調査によれば、弾性率と粘性率がそれぞれ1×105Pa、1.5×108Pa以下と軟らかく、 かつ破断強度が大きいうどんが、コシがあって美味しいと評価されている。 すなわち、噛み切るのに力が必要だが軟らかいのがコシのあるうどんであり、 単純に硬いだけではコシがあるとは見なされない。 コシのもう一つの特徴は、それが「時間とともに急速に失われていく」ということである。 これはうどんの破断強度が2時間で約2/3まで低下することからも分かる。 讃岐うどんのコシ(ないし美味しさ)は、茹でて水で締めたその瞬間に最大となって分単位で失われる。 これは時間が経つとともに水分分布が均一化して全体が糊化(アルファ化)し、 噛み始めが硬くなる一方で噛み切るのに必要な力は減少し、コシがなくなっていくためである。 このため、店で食べる讃岐うどんの当たり外れは店に入るタイミングが全て、とも評される。 讃岐うどんには時間とともに出現するような類の美味さは一般に存在しないが、茹でおきを提供する店もある。

だし

麺の食感という讃岐うどん共通の価値観を除けば、味付けなどは非常にバリエーションに富んでいるが、 讃岐うどんを特徴付けるものとしてはほかに、イリコ(煮干し)のだしが挙げられる。 香川では、近隣の伊吹島がイリコの名産地であることなどからイリコを使った濃厚なだしが昔からよく使われ、 讃岐うどんの主張の強い麺と豊富な食べ方のバリエーションを下支えしてきた。 イリコのだしは一般的な日本料理では煮物や味噌汁などに用いられるが、 それはイリコが青魚独特の臭みを持つため、二番出汁相当の使われ方をするものだからである。 うどんつゆのような「表の味」には鰹節・昆布によって調製される一番出汁が用いられることが多い。 しかし、繊細な一番出汁では、讃岐うどんの「強さ」に負けかねない事もあり、 讃岐うどんでは地元のイリコと北海道産の昆布を組み合わせてだしを作ってきた。 煮干しの臭みを取るためには、焼いた鉄の棒をだしに入れる方法などが採られ、 最後に加える醤油にも生臭さを消す効用がある。 なお、つけ汁には濃口醤油、かけ汁には薄口醤油を使い、それぞれの分量を変えるなどの工夫がされている。 (wikipedia)

歴史

弘法大師が伝えた讃岐うどん 讃岐うどんの始まりは、弘法大師によるものとされています。弘法大師は平安時代の僧侶で、別名は空海。讃岐郡(現在の香川県)と言われています。讃岐うどんの起源は彼が唐に渡ったことがきっかけです。弘法大師はそこでうどんの調理法を知り、帰国後に香川でそれを伝えました。なお、当時のうどんは、長細い形ではなかったそうです。丸みのある団子状で、現在の形になったのは室町時代からと言われています。 なぜ香川で讃岐うどんが広まったのか それでは、なぜ香川県でうどん文化が発展したのでしょうか。 その理由は、香川県の土地柄が関係しています。 当時のうどん作りに必要な材料は 小麦・塩・醤油・いりこ(煮干し)でした。 それらは香川県で生産されており、他県から調達する手間を省けたのです。また、容易に手に入る上に、香川県の小麦や塩は良質とされていました。これは香川県の気候によるものでしょう。香川県は、温暖かつ、雨も少ない瀬戸内海式気候。そのため、うどんに必要な食材を特産とすることができたのです。 讃岐うどんの浸透 こうした香川のうどん文化は江戸時代には浸透していたそうです。18世紀初頭に描かれた「金毘羅祭礼図屏風*1」には、3件のうどん屋と思われる描写があります。現在も香川のうどん文化は浸透し続けており、うどんの消費量・生産量は香川県が全国1位です。中でも生産量は、2位の埼玉県(2万4720トン)を大きく離し、5万9643トン。埼玉県と比べ人口が少なく、土地も小さいことを考えると、一層うどんの浸透している様子がうかがえます。 讃岐うどんは香川県内だけで広がっているわけではありません。1980年以降だけでも、2-3回のブームがみられたそうです。そのため、香川県外で讃岐うどんを食べられる飲食店も多数あります。手軽に行きやすいセルフタイプのお店や、本格派のうどん店などバリエーションも豊富。うどんは消化にも良いため、食欲が減っている日や、お腹の調子が悪い日にもおすすめです。 (引用:https://hannyarin-sanukiudon.com/history/)

特徴

讃岐うどんの基準 香川県に、讃岐うどん目当てで来る人も多数います。そのため、讃岐うどんは香川県の重要な観光資源とも言えるでしょう。2011年には、香川県出身の俳優・要潤さんを起用し「香川県は『うどん県』に改名しました」という観光キャンペーンをスタート。この情報はネット上で拡散され、多くの反響を呼びました。現在も香川県観光協会は「うどん県旅ネット(https://www.my-kagawa.jp/)」という観光情報サイトを運営しており、「うどん県」という呼称が広まりつつある様子がうかがえます。 讃岐うどんと言うと、「香川で作られたうどん」とイメージする方が多いかもしれません。 しかし、讃岐うどんと呼ぶには基準があるのです。 全国公正取引協議会連合会が定めた規約によると、 ・香川県内で製造されたもの ・手打、手打式(風)のもの ・加水量 小麦粉重量に対し40%以上 ・食塩 小麦粉重量に対し3%以上 ・熟成時間 2時間以上 ・ゆでる場合 ゆで時間約15分間で十分アルファー化されていること と記載されています。 讃岐うどんの味付け 讃岐うどんは、つるつるとした食感やイリコの効いた出汁を特徴と感じる方も多いでしょう。しかし、実際には香川県内でも味付けは異なるのです。出汁をいかした味付けのものから、卵をからめたものなど、種類はさまざま。うどんは冷たく、出汁は熱くした「冷やあつ」、その逆の「あつ冷や」など、温度差によるメニューもあります。こうした違いを比べるのも、讃岐うどんの楽しみ方の一つでしょう。香川県には、うどん店が600件以上あると言われています。





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